2025/08/27 12:09

自己紹介
渋谷洋介 1978年生まれ。
妻、息子、娘、猫2匹の家族。
宮城県の出身です。
実家は花づくりの園芸と稲作の専業農家で、3人兄弟の末っ子。
父親は百姓を自認している人で、作る・工夫してやってみるという考えのもと育ったので、なんとなくこんなものづくりの道を選んだのかもしれません。
結婚して、住んでみたかった長野県松本市に引っ越してきたのが2004年頃。
当初は木工の仕事は考えておらず、たまたま職業訓練で学んだ介護の世界に入りました。
デイサービスで約10年。その間に長男の妊娠と心臓病の発見、手術を受けるために岡山県へ移住。また松本に戻り、子育てと仕事で心機一転、と現在に続いています。
無事に子供が生まれましたが、息子が心臓病のほかにASD(自閉症スペクトラム障害)を持っていることが分かりました。
それまで介護の仕事もキャリアを積むと拘束時間が長くなり、妻にも大いに負担をかけていました。もっと家族との時間をとりたい、子供
が大きくなって一緒にできる仕事を始められたら、という思いを抱いて過ごしていました。

岡山時代に木工の先輩からインターネットを活用した自宅でのスモール工房スタイルを見せられて目から鱗でした。
いろいろとノウハウを教えてもらって、松本に戻り 「みつより舎」 という工房名で借家の一部屋を作業場にして2015年からスタートし、介護のパートの傍らホームページからのオーダーで木製表札、木製看板、小さな木工品を製作してきました。徐々に製作する時間が増え、オーダーも順調だったので本業として歩みだしました。
みつより舎ホームページ→https://mituyorisha.com/
ちなみに表札、看板ともに現在も製作しております。
木製表札はクラシックなものもよいのですが、自分の作るものとして糸のこ盤を使った切り抜きや切り文字を活用した、立体的で自由なデザインを目指して製作してきました。
オーダーを受けて製作するのはやりがいもありますが、その一方で悩みもありました。
製作する表札は家の顔ともいうべき大切な存在。木材の中でも一番良い部分を使いますので端材が多く、非常にもったいなく思っていました。いわゆる「歩留まりが悪い」という状況。
また複数のお客様とのメールのやり取りや画像作成が煩雑になり、仕事時間の半分がデスクワークになってしまうこともありました。おのずと作成できる品も少なくなり悪循環に。そんな悩みを抱えながら、何年もオーダーの仕事を続けていました。
いろんな木工のスタイルを考え続けながら出会ったのが木工旋盤(ウッドターニング)です。
木材(ブランクと呼びます)を両側から挟み込んで高速回転させ、専用の刃物(バイト)でカットしていく木工技術です。
小さな端材も扱えます。上手になればあっという間に木材は様々な形に姿を変えます。オーダーではない製作で効率よく仕事ができるかも。悩んでいたことの突破口が見えたような気がしました。
しかしすべて独学の木工のため、木工旋盤は木材が顔面に吹き飛んできたり刃物がはじかれたりと怖い思いをしたので少し躊躇していましたが、先輩の職人たちはたくさんYouTubeに動画を残してくれています。こちらが動けば学べるものはたくさんあります。
また、近所で伐採された庭木や大木をただ廃棄処分になるのが切なく、もらった生木の丸太が虫に食われていくのもまた残念で、ようやく本腰を入れて旋盤の作品を作り始めたのが2025年。とにかく木を回転させては削り、体で感覚を覚えて練習しながら作品が出来上がってきました。
そしてようやくBASEのショップを立ち上げて、主に旋盤での作品をアップしていくショップ名として「mituyorisha wood works」としてスタートしました。
木工職人としては割と異色の経歴です。丁稚の経験もないので基本的な事、木の性質、道具の使い方など一生懸命勉強しました。
本格的な家具を作れる木工家には劣等感を感じることもありますが、それでもいまの自分ができるものを作ることはできます。
好きな作家であり木工家の田渕義雄さんもアマチュアを自認しながら、素晴らしい家具や椅子を製作していきました。田渕さんの存在が今の私のスタートかもしれません。 森暮らしをしながら、畑や釣り、家具製作を詩を歌うように祈るように楽しんでいました。亡くなってしまいましたが、彼のライフスタイルは心に根差しています。
工房名 みつより舎の「三撚り」は聖書の中に出てきます。当初私と妻と息子の3人が撚り合わせるように、みたいなイメージでいましたがのちに娘も生まれて四つ撚り?となり、あまり意味をなさなくなりました(笑)。
息子も私の作るものにはあまり興味はなく漫画家やアニメーションを製作する仕事に関心が向いていて、当初の目的はどこへやらです。
「みつよりの綱は簡単に断ち切れない」。
自分だけの独りよがりではなく、身近な存在やお客様、かかわる人たちとの撚り合わせで成り立つ。いまはそんな工房という感じです。

2025年8月28日
